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出 棺

カテゴリー:コラム    更新日:2008 年 1 月 1 日

葬儀(告別式)のお勤めがすみましたら、遺族・親族・近親者でお別れの対面をします。故人を偲びつつ、静かに合掌しお念仏申します。お別れが終わりますと出棺です。出棺に際しては、喪主または親族の代表が、会葬者にお礼の挨拶(会葬御礼)を述べます。挨拶は、短く要点をおさえましょう。
 その内容は、①会葬者に心から感謝の意を表する、②故人への厚情を謝し、生前中のことにふれる、③遺族へも故人と同様の厚誼をお願いする、④残された家族一同、精進して生きる決意を述べる。葬儀での挨拶をお聞きしますと、「冥土に旅たつ」「草葉のかげから身守る」「天国に昇る」「安らかに眠る」などの言葉をよく耳にします。それらは、死後の世界を想定し、人が亡くなると、その世界に行くという考え方です。浄土真宗では従来、人が亡くなると、「浄土にお還りになられた」と表現してきました。浄土(仏さまの世界)は、死後の世界を想定して言うのではありません。浄土とは、仏さまの教えに出あい、生きる知恵と勇気と安心を賜った者のみが感得する世界のことなのです。その感得こそ、亡き人を浄土に還られた仏として受けとめることができるのです。亡き人を仏として合掌し、お念仏申すのも、亡き人から問いかけ、命の尊さに気づかされての事なのです。最後に、会葬御礼の一案を簡略してご紹介します。
「本日は、故○○○・法名釋○○の葬儀にあたり、ご多用中ご会葬くださり、誠にありがとうございました。故人の生前中、公私ともに一方ならぬご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。故人は、賜った命を大切に生きてきましたが、このたび○○歳で浄土に還りました。私ども遺族は、肉親の死をとおして、今ほど命の尊さを感じたことはありません。この思いを故人の願いと受けとめ、いただいた命を一日一日精いっぱい精進して生きていこうと思います。
 今後とも、故人同様のご指導・ご鞭撻を賜りまようお願い申し上げます。」


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(2023 年 7 月 12 日)