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法名について

カテゴリー:コラム    更新日:2005 年 1 月 1 日

お内仏にお参りして、気付かれたでしょうか。お内仏の側面に「法名釋〇〇」と書かれたいた軸(法名軸)が掛かっています。念のために申しますと、他の宗旨では位牌を用いるようですが、浄土真宗では位牌を使わず、法名軸をお掛けします。今回は、この軸に書かれた法名について、お話ししたいと思います。私たちは誰しも、俗名(戸籍上の名)を持っています。いうまでもなく、俗名は、お母さんのお腹から生まれたときに付けられた名前です。 これに対し法名は、法の名字という意味で、仏(=ご本尊の阿弥陀如来)・法(=その教え、つまり南無阿弥陀仏と称えること)・僧(=教えに依り歩みを一つにする仲間、サンガのこと)の三宝に帰依し、仏道生活に入ったものがいただく名前であります。浄土真宗の法名(戒名とはいいません)は、親鸞聖人が自ら「釋親鸞」と名のられて以来、男性は「釋〇〇」、女性は「釋尼〇〇」と必ず「釋」の字を用います。この「釋」の字は、お釈迦様の「釋」の字で、この字を冠することにより仏弟子として生きることを示します。つまり、この名のりは、仏の教えを私の生活の依り処としていきてまいりますという誓いを表すことを意味します。俗名は、老若・男女・貧富・職業等の差別の中で煩い悩みつつ生きる私の名前といえましょう。しかし法名は、すべての人が差別なく等しく、諸々の衆生とともに救われることを願って仏の世界に生きようとする者の名前なのです。一般的に法名は、死んだ人の名前だと理解されているようですが。本来、そうではないのです。生前中に頂いておくべき名前なのです。今日は、この「釋〇〇」を名乗る方のご法事です。貴方に、仏の平等な世界を開いてほしい、そして、生まれた意義と生きる喜びに目覚めてほしいとの仏の願いと、その仏と同じ願いに生きた「釋〇〇」の願いに真摯に耳を傾け合掌礼拝する日なのです。


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(2023 年 7 月 12 日)