第30号 あとがき(住職の一言)
私が住職になって以来大変親密にしていただいていた友達が急死いたしました。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」という言葉がありますが、何も語らない友を前に、死という事実に直面した私は彼が私に残した問いを考えるに自分の身になかなか置き換えることができず、どうしても誰かの責任にして解決しようとしている自分がいるのに気が付かされてしまい、何も彼の問いに答えてられない歯がゆさを感じ、自分の情けなさを痛切に感じました。
私も「死もまた我等なり」との問いを持ち続け、問うていくことではないかと感じます。
合掌
