いのちの声 (93号)
ただ ひとすじに 聞く
そこから 世界が 開かれる
目にその人を見、耳にその人の言葉を聞きながら、その人の心の声が聞こえていないことがある。誰人も、自分中心に人を見、話を聞き、考える、自己関心の壁は厚い。蓮如上人は「一句一言を聴聞するとも、ただ、得手に法を聞くなり」とさとされています。この言葉にうなずくとき、人は自分の都合のいいようにしか聞いていなかったと知らされて、自分中心の壁が破られていく。全身を耳にして聞くとき、自ら「いのち」の声が聞こえ、そこから世界が開かれていくものです。
