通夜について
いよいよ通夜勤行(通夜のお勤め)の時間が迫ってきました。今回は、通夜についてお話します。 通夜とは、遺族を初め縁のある者が夜を通して、葬儀までの間、亡き人を偲び、静かにご遺体を見守るというのが本旨です。ですから、お勤めの間だけを通夜と言うのではありません。身近な人の死という現実を謙虚に受け止め、日頃忘れがちな「生死」の問題について、深く考える一夜にしていただきたいと思います。 故人は人生の最後に、身をもって教えてくださった「人はみな死ぬ」という事実です。つまり、この私も、必ず死を迎えなければならない生を送っているという事です。
そしてそれは、「死と隣り合わせていきているあなたは、これからどのように生きるのですか」という、亡き人からの問いかけでもあります。故人とは生前中、ケンカもし共に笑いもし、いろいろなことがあったことと思います。 さまざまな思い出がよみがえってくることでしょう。しかし、それらすべてが、何かをおしえていることではなかったでしょうか。夜を通して、お互いに話し合えば、通夜の本旨にかなう事でありましょう。
さて、お勤めの時間が近づいてきました。お勤めは、仏様の教えに出逢う大切な縁になるものです。お勤めや住職のお話(法話)をとおして、生きている事の尊さを仏さまの教えにたずねていただきたいと思います。それでは、喪主、近親者、遠縁の順に席につきましょう。弔問者の座る順番は、事情のある場合を除いて、前から順次座っていただくとよいでしょう。お勤めは、住職と共に『正信偈』を一緒に唱和します。合掌は、住職に合わせて行って下さい。このとき、数珠を忘れないようにします。最後に、通夜の服装についてですが、最近では礼服で弔問に来られる方が多く成りました。遺族の方も礼服を着用されていたほうが失礼にならないと思います。
